「精霊よ、わが願いは空飛ぶ絨毯に乗り、世界中どこへでも、思うまま、旅することだ。」
「願いを叶えてしんぜよう。」
イスラム世界の芸術文化を思う時、頭に思い浮かぶイメージは沢山あります。カリグラフィ、哲学、数学、建築学、天文学、詩、家具作り、文学、セラミック、金属細工、繊維、刺繍、音楽、ダンス、料理等です。邸宅の中を進むにつれ、すばらしい装飾美術であり、中東・中央アジアの文化のたまものである、魔法の絨毯を楽しむことができます。
これらの絨毯には、街工場の大きな織り機で作られたものと、持ち運びが容易で場所から場所へ動かすことができた小型の織り機により、手で織られたものがあります。良質の絨毯を作ろうとすると、サイズや材料によっては、数か月から数年かかります。また、精霊の力によって、絨毯で空を飛ぶことだってできます。絨毯の殆どは、現在のイランであるペルシャ近郊で作られました。イランには豊かな歴史があり、はるか6,000年前まで遡ります。ペルシャでの絨毯製作は、およそ2,500年前に始まりました。絨毯の名前は、その作られた街、村または地域にちなんで付けられています。現在絨毯は、中東ばかりでなく全世界で高く評価され、日本でもペルシャ絨毯とその文化は深く理解されています。
(ここに描かれている絨毯は、家のプライべートな部屋に置かれ、一般公開はしておりません。あらかじめご了承ください。) |